完全コピーの勧め
2005年12月06日 完全コピーの勧め
今週からいきなり本気で寒くなりましたね。
読者の皆様風邪ひいてませんか?
今日のお話しは「完全コピーの勧め」です。
一般的に僕達ミュージシャンよりもリスナーの方の
方が沢山音楽を聴いている感があると思います。
例えば、「i-podに3000曲入れたよ!」という
会話がもう電車の中とかでちらほら聞こえてくるように
なりましたね。僕は電車の中では音楽は聞きません。
というか、聞きたくありません。また、普段日常から
音楽を沢山聴くかというと、そうではありません。
それは何故かというと、実際問題僕らの仕事に
そういった「BGM的音楽の聴き方」というものが殆ど
役に立たないからです。僕にとって音楽を聞くという
事は、「CDで鳴っている音を極力全て聞き取って楽譜に
する、そして分析する」という事と同値なので、
日常から常に音楽を聴くというのは正直苦痛なのです。
音楽を聴くときは環境も重要です。極力そのアーティスト
が意図している音を聞き取りたいので、原音に近い音
で聞きたいです。場合によってはヘッドホンを使って
音を聞き取る事があります。そこで「アーティストの
メッセージを伝える為に使われている技術」を分析します。
これは特にアレンジをするためには必要な事です。
アレンジは複数の音がコンビネーションされて作られて
いるので、音感だけで処理できるものではありません。
和音に対する知識、楽器に対する知識が必要です。
例えば、音感で「この音が欲しい!」と思っても、ある楽器
ではその音が「演奏不能」な場合があります。
また、和音の音の重ね方も、楽器によっては良いサウンド
になるものもあれば、気持ち悪いサウンドになる場合も
あります。必ずこの重ね方にすれば良いという物ではなく、
あくまでも楽器に依存します。こういうことをしっかりと
把握した上でアレンジをしないと、せっかく良い詞曲が
あっても、伝えたいことがこぼれてしまうのです。
こういう繊細な音はBGM的に音楽をかけて聞き取れるものでは
ありませんし、とてもシリアスな作業です。音楽は楽しい
ものですが、上達するためには=より楽しくなるためには
こういった苦しさが必要なのです。3000曲聞かなくても
3曲真剣に完全コピーして譜面を書いたら飛躍的に音楽の
能力は向上します。
最近はオリジナル曲制作がアマチュアの間でも浸透して
コンテストの審査員等をやると殆どの方がオリジナル曲を
演奏するようになっていますが、これはプロを目指す為には
必ずしも有効では無いです。10曲オリジナル曲書くよりも
1曲で良いから完全コピーして、譜面書いて、分析して、
弾けるようになったほうが後々伸びます。是非試してみて下さい!
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